2011年05月07日

稽古へ

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 普段なら自転車で、電車移動だったとしても新宿を経由して世田谷方面へ向かう。
 今日はたまたま仕事先の近くのバス停に来たバスが吉祥寺行きだったので、吉祥寺から井の頭線を利用した。
 稽古場は北烏山敬老会館。高速の高架の下に佇む、掘っ立て小屋のような場所。ちょうど京王線千歳烏山駅と井の頭線富士見ヶ丘駅の間に位置している。
 もう8年程前か、はじめてこの場所を使用したとき、道案内をしてくれたひとが千歳烏山駅から連れて行ってくれたので、それからは富士見ヶ丘駅の方が若干近いと知りつつも千歳烏山駅を利用している。習慣はそうそう変えられないのだ。
 だから富士見ヶ丘駅から向かうのは今日がはじめてかもしれない。
 午後四時過ぎ、仕事場を出る頃からどうも空がどんよりとしてきた。道が空いていたのか、吉祥寺まで一時間程かかるところが40分で着く。その内、30分は座席でうつらうつらしていたので、気持ちとしては、あっという間だった。
 井の頭線に乗る。井の頭線に乗る時はいつもどこか真新しい気持ちになる。何だかシャンとする。
 富士見ヶ丘駅で降りる乗客はまばらで、仮設の改札を抜け、まずはコンビニでパンと水とコーヒーを購入する。パンを齧り、コーヒーで煙草を吸いながら歩く算段だ。
 22時過ぎの帰り道では何度か通った道だが、まだそれなりに明るい夕方に歩くのは新鮮だ。気になっていたレストランの店頭メニューをチェックしてみる、が、読めなかった。
 富士見ヶ丘中学校の体育館ではバスケ部が練習をしている。空いた非常口からちらちら覗き見する。僕もああやって中学生のときは汗をながしていたのだ。
 ふと、中学校の向かいの古いコンクリートの建物の壁に窓枠らしきものを見つける。窓枠にはガラスがはめられ、そこに小さく「くらすこと」と、点が三つ。何のことなのかさっぱりわからない。
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 横っちょに細い階段があって、その上には洒落た木のドア、窓からは灯りが漏れている。ドアの横にはまだ窓枠らしきもの「くらすこと」と書いてある。コーヒーも煙草もそこそこにしばらくここが何屋さんなのか(そもそも店なのか)、「くらすこと」について考えながら歩く。
 まず浮かんだのがオーダーメイドの家具屋だ。店頭販売はしない。完全にお客から注文を受けてから製作する。おそらく職人さんはひとりで、看板を出そうものならすぐに供給が追いつかなくなる、知るひとぞ知る、口づてで客足が伸びればいい、そんな具合の家具屋さん。まあ、想像なので正解もないし、戸を叩いて伺ってしまっては粋でないように思えたので、そのまんま答えは宙ぶらり。
 それよりも「くらすこと」だ。平仮名である。反芻しいると何かの暗号のような気がしてくる。秘密結社のアジトかもしれない。「くらすこと」と繰り返し呟くと、どこか外国の言葉のような気もしてくる。「クラスコト」、ロシア、ルーマニアとか。ウィキペディアで「クラスコト」を検索してみると、何にもヒットしない。ならばググルか、と思うが、正解に辿り着いてしまうのもそれはそれでおもしろくない。もうしばらくはどこの言葉とも知れない「クラスコト」を楽しみたい。
 どういう意味だろうか。発音としてはクラ・スコットかもしれないし、クウラスコートかもしれない。「燃える」とか「這う」とかの意味だといいな、などと考えながら高架の下で右に曲がる。
 稽古場では先に着いていた大間さん、岸野さん、中野さんがやいやい話している。僕の頭から「くらすこと」はすっかりいなくなって、やいやいになんとなく混ざっている。だんだんひとが増える。稽古が始まるまでの、まっとりとした時間を未だうまく過ごせずに、僕はとりあえず体操している。
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posted by 日曜日 at 02:04| Comment(3) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これ、だれ?
誰が書いたの?
長文過ぎてこわい…。
Posted by なかのかな at 2011年05月08日 00:05
北烏山「東」敬老会館だね

あと名乗るようにねわがお
Posted by YUI at 2011年05月09日 11:50
わがおちゃんか…。
Posted by なかのかな at 2011年05月10日 00:20
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